近江。……近江!!

 碧郎さん宅でドラマスピカを最終回まで見てきたわけですが、いや素晴らしい出来だったと思います。まさに「もうひとつのスピカ」と言いますか、漫画でしかできないことはばっさり捨てて、上手くドラマとして描いたのではないでしょうか。宇宙への憧れと友情という2本の柱はそのままに、漫画好き向けから小中高生向けにシフトされたドラマ版。いいと思います。特にケイちゃんは、随分小中高生向けのキャラになってたんじゃないかな。友情よりも恋の方にフラっといっちゃいそうなところとか。でもそういうキャラがいるからこそ、いまどきの小中高生も上手く入り込めるのでしょう。あとやっぱふっちーは素敵だよなあ。桐生君のあたりからキレッキレでしたが、秋入院以降光る光る。取材受けるアスミを励ます場面とか素敵すぎます。近江! のとこも泣かせるしなあ。
 それとやはり、言い方は悪いのですが、秋の殺し方が原作と正反対ながら、ドラマスピカも上手かったと思います。ほんと言い方悪いな。でもあのビデオレターはズルいよなあ。あと骨のエピソードとかも。ああいうことやられるとね。ほんとキッツイからね。それと葬式の場面でのふっちーの(アスミだったかな)「ずりいよ」とか、あの酒屋の夫婦のリアクションとか、ガツンと来まくるね。でもだからこそ、あれを踏み越えて夢を目指すアスミが生きるわけで。最後のマラソンとかみんなのシャウト無駄にいいしね。そういうのは抜群に上手いと思います。でもふっちーはなにか間違ってるような気がしなくてもないけども。
 それに脇の大人たちもイカしてた。あの教頭? みたいなオバさんは最後まで割を食っててアレな感じでしたが、佐野先生と親父は実に良かった。子供たちの真っ直ぐさに共鳴して前進する大人ってのは見ててさっぱりするね。特に5話の、親父の「寂しいよ、君がいないと」→「俺にはこいつがあるからな」のコンボはヤバい。佐野先生もすっかりいい先生になっちゃってたしなあ。いいですね。凄く。それと最後までナイスだったTIMゴルゴはこのドラマ1番のハマり役だったような気がしなくもない。ナイスすぎるんだよあいつは。
 ドラマ版は、スピカ好きなら見て損はない出来だったと思います。少なくとも宇宙と友情の二段重ねは間違いないし、漫画から切った部分も7話のドラマにするには仕方のない部分でしょう。ライオンさんとか出しちゃうとグダグダになるしなあ。その意味でも良く出来ていたと思います。久々に満足できるドラマを見ました。好!!
 フラッパーで最終回を迎えたらしい漫画にも期待。あとがき以外。でも来るんだろうな、もうひとつのスピカ。