空に憧れて、空を駆けていく

いやー、「風立ちぬ」めっちゃ良かったですよ。ハウルの際、ジブリの映画なんて二度と観るものかと思い、実際それ以来特に損を感じたこともなかったのですが、今回は観に行って正解でしたね。予告編にキュンと来たマイ直感君にブラボー差し上げたい。なんていうか、久しぶりに映画を観たなって気がします。黒田硫黄風に言えば、映画のから揚げとか映画の煮つけとかじゃなくて、こうまじりっけなしの映画観たなーとね。
往年の、例えばラピュタとかもののけ姫みたいな、こうガッときてバーンとなるような派手さは1ミリもないのですが、もうじわっと来るんだよ。じわっとね。終わりが来るのはわかってたけど、ずっと観続けていたかったし、ずっと浸っていたかったなあ。しかしあのラスト、青空に消えていくゼロ戦と、そこからのEDは反則でした。しんみりと泣いちゃったよ……。いやあ、良かったです。ジブリ面白い映画まだ作れるんだなあ。絶対もう1回観に行こう。
個人的にはべた褒めなのですが、でも確かに賛否はわかれるのかなと思います。少なくとも子どもが見て楽しいとか、すっきりとかそういうのじゃないしね。結構淡々としてて、て言っても夢の中の場面とか嫁入りのとことか見所はあるのですが、まあ派手じゃないし。あと主人公の声は確かにアレだし。朴訥としてよかったけど、朴訥としすぎだった気はします。まあいいんだけど。ていうか戦前の昭和ロマンがわからないとつらいかもしれないのかな。木造建築ばかりだったり、牛に曳かせてたり、みんな煙草吸ってたり、まだ和服が色んな所で出てきたり、でそれが凄い質感で描かれてるから、僕はそれだけでOKな部分はありますね。イタリアで村人みんなで飛行機に乗ってる、あの底抜けの明るさとか。あの夫婦のあり方とかも無駄に萌えポイント高いんだよな僕としては。やーでも、書いてると抜け落ちてる感じがして勿体無い気がしてきました。ほんと良かったんだよ。なんかチェンジアップがうまいことド真ん中入ったーて感じで。最高でした。

あと銀魂も見ました。こっちも楽しかったですね。こう「夏休みの少年ジャンプ劇場版」て感じでね。キャラクター全員集合、謎の敵との総力戦、そして最後の仲間との友情確認。いいじゃないですか。こういうのがいいんだよこういうのがね。ストーリーに突っ込みどころは沢山あるのですが、んなもんはテンションと勢いで無問題です。細けえことはいいんだよ。ズガーンとバトルしてバシーンと決めてえぐえぐ号泣して、もうOKだぜよ。あとネタが切れてましたね。不覚にも何度も笑っちゃったよ。チンさんとか。アレ勃ちぬと勃たねばとか。打倒けいおんとかね。下ネタは女性客の方がケラケラ笑ってたな、そういえば。
夏はあとショートピースかなあ。あんまり期待してはいないのですが、でもそれなりのだといいなあ。さすがに風立ちぬは超えられないだろうけど。でもあれはほんとに良かったなあ。今でも反芻してぐっと来てます。恐るべし宮崎駿。72歳の映画とは……。いや、お見事。