なんとかなるさ

 蟲師は最後まで素晴らしかった。蟲師アニメ化に非常に懐疑的だった自分をぶん殴りたい気分ではありますが、「凄く良作か凄く駄作かのどっちか」みたいなこと書いてたからよしとしよう。ほんと見てて良かったです。文句なし。自信を持って薦められるアニメのひとつです、これは。ていうかほんと、蟲師見て眠くなったことは僕は一度も無いですよ。いつも昂ぶって昂ぶって、寝るのに30分以上かかってしまいます。今日は普通に眠れなさそうだ。
 今週のも来てました。蟲の表現や、たまや探幽の表情、背景、音楽どれをとっても素晴らしかったです。唯一空気読めてなかったのが例のアフタヌーンCMですが、まあそれはそれとして。また探幽の声も低めで絶妙なんだよなあ。この話は最後のギンコと探幽の掛け合いがキモなんですが、もう完璧でした。あの最後の「はは。なんとかなるさ」の絵がマジでたまんない。あの一枚絵は言葉じゃ到底言い表せないなあ。これを無料で見ることが出来る現代に本気で感謝したい。それと製作スタッフにも。もうスタッフ陣もほんとに蟲師大好きなんだなあと思います。でなきゃこんな見事に出来ない。やばいなあ、絶賛ですよ。でも凄い。特に原作ファンは絶対に見るべきアニメになってくれました。やべーDVD揃えたいぜ。
 1話「緑の座」でガツーンと心を掴まれました。あの廉子ばあさんと色彩は反則レベルによかった。そっから2話「瞼の光」や5話「旅をする沼」で、これぶっちゃけジブリ超えてんじゃないの、と思い始めました。6話「露を吸う群」や7話「雨がくる虹がたつ」とか正座してみてたなあ。んで12話「眇の魚」がまた。切ない。この辺りから急激に音楽が良くなりだして、16話「暁の蛇」とかほんと、音楽だけでも昇天できそうな感じでした。勿論絵と演出も神レベルのままで進むわけで、たまんなかったです。で、今日のラスト。ラスト3分だけでも1000円払ってもよかった。最高でした。あー来週からはもう見られないのかー。それだけがほんと、寂しいです。これは国宝級だよマジで。
 最後までそうですけど、わかりやすい悪役を倒して勝利、というのじゃないし、わかりやすい正義を成して勝利、というわけじゃない。あくまで人間も蟲も自然も一緒に、ちょっとずつちょっとずつ、居場所を増やしたり、また減らしたりを繰り返して生きていく。そういうのはいいですね、やっぱり。僕は「なあなあ」が好きな人間なんで、余計にそう思えてしまいます。とかねー。語りたくなるんじゃなく、共有したくなるアニメでした、蟲師は。スタゲで見てるのが風吹さんだけなのが寂しいなあ。まあでも、確かに人を選ぶものではあるかな。
 ほんと蟲師は最高でした。