……死ぬかと思った

 金縛りに遭う夢を見ました。思ってたよりより強烈というか、マジで心拍数すげえとか、いやほんと死ぬかと思いましたよ。夢で大げさだなと思われるかもしれませんが、夢だろうが現実だろうが体験は体験なのです。素で恐怖しました。跳ね起きるとかほんと勘弁。
 基本的に、僕は部屋にいるときは鍵をかけてません。電気つけてますしね。それでも侵入してくれるのが女性ならば歓迎なのですが、それはまた別の話ということで。でまあ、寝てるときにも鍵はかけてないわけです。なので、ふと目が覚めたときに、部屋の隅っこに人の気配を感じたときにも、そこまで違和感があるわけじゃなかった。誰でも入れますからね。ただやはり、さすがに深夜に人の部屋に侵入する奴なんて泥棒と思うしかないので、起き上がろうとしながら「お前何やねん」などと間の抜けた声を出したわけです。もしくは出した気になった。そしたらその気配がすっとこっちに近づいてくるんです。うわっ、と思ったときには、既に俺の上にいました。暗くて顔も何もわかんないのに、確かにいる気配だけはする。いくらなんでも泥棒に乗りかかられるのはマズいので、俺も動こうと抵抗したわけですけども。あれ、凄いですね。マジで動かない。うわってめちゃめちゃ焦るんですけど、ほんと動かない。ぴくりともしない。なのに気配は消えないし、見つめられてるって感覚さえするんです。この時点で既にパニック。もうつま先から頭まで全神経を集中させたんですが、それでも動かない。普通ならじたばたじたばたなってるはずなのに、縛られるとか重いものに乗られてるとか、そういうのじゃ説明できないくらい動かない。そしてさらに僕をビビらせたのが、微妙に時間は経ってるのに、のしかかられている気配と見つめられている感覚はそのままってことです。動こうともしないし、実際動かない。動かない以上、明らかに物取り狙いの泥棒じゃないわけですよ。それがほんとに怖くて怖くて。こっちはどっか行って欲しいですからね。もうテンパってテンパって、うわー俺ここで終わりかよ、などと考え始めたわけなんですけど。
 そこで目が覚めたわけです。いやもう、最上級の力でもって跳ね起きましたよ。呼吸とか心音とかまったく荒い荒い。筋肉が張ってなかった(力入れた跡がなかった)のを確認して、ようやく「これ夢か」と認識して、ほっとして崩れ落ちたのがさっきです。もうほんと、勘弁して欲しいですね。もっとレム睡眠が進んでたら、現実とそう変わらない状況で味わえたかもしれませんが、そうならなかったのは不幸中の幸いと言うべきでしょうか。なってたら吐いてましたよマジで。くっそ慣れてないから余計に来ます。これは怖いわ。ほんと怖い。
 げに恐ろしきは人の業、とか言ってる場合じゃないです。来るなら金縛りとか泥棒とかじゃなく、恋泥棒あたりにしてほしいですね。結構マジで。