親父と娘で筆二本

映画「百日紅」を見てきました。やー、個人的にはだいぶ良かったですね。こういうアニメ見たいんだよな。別にすげえオチがあるわけでもないし、うおおおってなるアクションがあるわけでもないし、可愛い女の子やカッコいい兄ちゃんが出るわけでもないんですが、なんていうか「いいアニメだった」って気分になる。何が違うんだろうな。好きなのは、今の人が思う江戸時代の「あやふやさ」ですかね。適当さっていうかさ。リアルな地獄を描いちゃったら周りに影響しちゃう。指はもっと先を求めるし遊女は顔だけ自由になりたがる。仏さんはたまに動き出すし、死んだ人は思いを残した場所にやってくる。そういう、今ではもうそんなんありえへんやんで終わってしまうことが、するするっと映ってるんですよ。しみじみと来ましたね。場面場面も、なんかいいんだよな。お栄さんが椿を妹の袖にいれてやるところとか。すげえ江戸っ子って感じの善次郎が、遊郭でつまんなそうに酒飲んでるとことか。歌川の兄ちゃんが照れて植木鉢に顔突っ込んでるところとか。なんかいいんですよ。短編集がずっと続く感じで、お猶ちゃんの病気のことがメインにはなってるんですが、まあ割と話自体は散漫です。でもひとつひとつが、こうなんかいい。江戸時代ええやんって思う。そりゃそんなんでもないんだろうけどさ。善次郎の気楽さはほんと好きになれる。お栄さんも好きだけど、一番印象に残ってるのはあそこだね。男娼の店に行ったはいいけど、いざってところで相手に寝られる場面。ちょっと笑っちゃったな。ラストの百日紅も凄く綺麗で切なくて、ああいい映画だったなって思いました。掛け値なしの良作だと思います。
あと印象に残ったことなんですが、あれですね。レイトで見たので、年齢層が高かったのですが、めっさいびきかいて寝てた人がいましてね。近くの人が係員呼びに行く→起こす、を2セットほどやってました。まあヤマもオチもアクションもないからねえ。つまんない人にはつまんないんだと思います。俺の隣の隣の人も割と寝てて、椎名林檎が歌いだしたら瞬殺で帰っちゃったしね。俺は好きなんだけどなー。コーラ飲み忘れてて、最後に水っぽいの啜ってまずって呟くくらいにはさ。
で、その後マドリッド見ました。やー、錦織君負けるわけないと思ってたんだけどな。このマレーの粘りはどうしたことだ。クレーで勝ったことないはずなのに。最初は錦織君のウィナーがばんばん決まってて、こりゃいけるやろと余裕ポーズで発泡酒飲んでたんですが、いやいや押さえ込まれましたね。うーんなんでだろう。錦織君、バックではストレート全然撃ってなかったなあ。フェレール戦でもミス多かったみたいだけど、あれで攻められないのは辛いですね。もうマレーも決めうちしてたし。クレーでは類を見ないほどのアグレッシブなプレーしてるわけで、でもマレーほどの相手に守備に回られたらやっぱり厳しいのかな。いけると思ってたんだけど……。でもなんか、これも人徳なんですかね、今夜マレーがナダルに勝つビジョンが全く浮かばないや。いやチャンスはあると思うんですが、クレーで守備勝負したらそらナダル勝やろって感じでね。それなら錦織君行ったほうがええやろって思うんですが、そういう勝負で強いのがマレーって人だしねえ。まあいいか。むしろ今週のローマで、錦織君にはジョコを退治してほしいですね。そこでやれなきゃ誰も勝てないってくらい彼強いからなあ。期待してますことよ。
阪神は定位置に戻ってきました。この三連戦を見れば、誰も「戻ってきた」に異存はないでしょう。ダメ虎に明日はあるのか。これで交流戦で爆発……、とかないだろうなあ。負け越さなきゃいいと思います。多分。かなり多分。