にしししし

いやー、ちょっと見直しましたよ桜庭一樹。件の映画「伏 鉄砲娘の捕物帖」を観たんですが、これが存外に良かったのです。ド直球の少女漫画。山育ちの娘が江戸に出てきて、男や友人と出会い、色々な経験をして大人になっていく、ほんとにド真ん中ストレートの良作でしたね。めっさ爽やか。やー、この人こんな話書いてたんですね。食わず嫌いでごめんよ。今年に入っていくつかのアニメ映画を見ていたわけですが、これが一番好きかもしれないなー。
ともかく、江戸の街並みが綺麗。バーチャル江戸っていうか、僕らが考える理想の江戸って感じですかね。騒がしくて人情に溢れてて色鮮やか。それにソバとか泥鰌とかが超美味そうでした。メシが美味そうに見えるアニメはだいたい良作なわけですよ。なんかこう、ここに住みたいなって思わせてくれる街並みでした。案外そういうのない気がします。見滝原とかあんまり生活感ない気がするなあ。まあそれは人それぞれだけど。で、その街を駆け巡る人々の気持ちの良いこと。いちいち、セリフが切れてるんですよ。威勢のいい口調できっぷのいい言葉を喋ってくれるのがたまらんですよ。特に兄ちゃんと、長屋の親父さんと遊郭太夫ね。ていうか水樹奈々優上手くなったねえ。昔からあんなんだったっけ。お歯黒池のところでは、不覚にもぐっときてしまいました。テンプレ通りなんだけどさ。条件反射でぐっときちゃうからテンプレなんだよな。歌舞伎座の兄ちゃんの芝居で通してくれよ、のところとかね。いや、よかですことよ。
鮮やかな街並みに美味そうなメシ、人情味溢れる魅力的なキャラに小気味良いセリフ回し、ど真ん中ど直球なシナリオ。楽しい映画、堪能しました。

対してまどか後編は微妙にいまいちというか、まあくどかったですかね。キュウべえさんの世界史講座とか、あんなグダグダやらんでもなあ。ああいうそれをちょんぎってほしかったですね。あとEDの壊滅的アレさはだれかNOを言わなかったのだろうか。やー、ねえ。もうちょっとあるだろうにねえ。映画でスタッフロールの途中に席を立とうと思ったのは初めてかもしれません。キッツイ歌声だった……。
結局のところ、まどかさんに魅力を感じないってのがすべてなのかもしれません。あんな救いならいらないんだよな。結局何の解決になってるのかよくわからないし、そもそも願いを誰かを呪うことに使うことを前提にしてないし。どっちみち未来永劫戦う運命はかわってないんだから、魔女化より戦死が増えるだけで、何も変わってない感じがするんですよね。別にラストの数分くらい絶望に塗れたっていいような……。まあどうでもいいんだけどね、その辺は。歳を経るに従って考える力が減退しているのがあれです。まあでも、あの退屈な終盤を経てあのオチはやっぱ微妙だよなあ。まだみんな死んでたほうがマシな気もします。気のせいか。そうか。
今週末には009観に行ってきます。そんで1週挟んでとうとうエヴァか……。思えば遠くに来たもんだ、まったく。