ゼノサーガ3

 驚くべきことに面白かったんですよゼノサーガ3。もう誰も予想してなかったことだと思うんですが、ほんとに良作レベルまでは到達できたと思います。ゼノ2があまりにもアレだったので相対してそう感じるだけかもしれませんけど。アンビリーバブルや。終盤の失速がかなり悔やまれます。ディスク1はほんとに名作の香りがプンプンしてましたよ。ラストが非常に惜しい。ていうかネタバレ無視で書いてるのであしからず。
 少なくとも俺は、バージル&フェブロニア、ルベド&アルベド&ニグレド、カナンの3つのシーンは普通にグっと来ました。言ってることはあんまり良く分かんなかったんのですが、梶浦の音楽×ベテラン声優の名演×背景の美しさでもってかれましたね。特にバージルのイベントで半泣きになりまして。そんな自分に気付いてまたちょっと半泣きだったんですけどね。あとミルチア過去編終盤の息詰まるテンションが素晴らしかったです。あれは怒涛の展開だったなー。ゼノ1で張られて、ゼノ2ですっぽかされた伏線を、ゼノ3で見事に回収仕切りましたよ。最高でした。アンドリュー中佐のいた海岸で、花畑に佇むマリアが描写されたときは、これマジでギアスレベルまで行くんじゃないかとほんとに期待したものですが、うーんそこまで行かなくて残念でしたよ。最終章がなあ。シオンをケビンから自立させた辺りで、仕切り直しをするべきだったと思います。そうじゃないとシオンをウザくした意味がない。あそこで一端仕切りなおして、次の章で地球時代の、マリア、巫女、ケイオス、ヴィルヘルムあたりの関係を描き、そして最終章でVSヨシュアとかだったら文句なしだったんですけど。ていうか地球時代のエピソードがほぼブン投げという状況がやはりキツい。そこキモなのに。そこで輪廻とか、例えばマリアやヴィルヘルムの絶望とか言及されてれば、ラストのシーンも映えると思うんですよ。シオンももっと真っ直ぐにラストバトルに臨めたよなと。残念です。やっぱラスボス戦は主人公が啖呵切らないとね。あーでも、ほんとロアストエルサレム時代が見たかった。それがあれば80点レベルだったのになー。ネピリムとか、1の段階でうおーエリィそっくりだぜーとかなり興奮した人多いと思うんですけど、それも全部ブン投げだからなあ。そこさえキッチリやってればなあ。やっぱ2の尻拭いが厳しかったのだろうか。
 と普通に愚痴が出るほど、3はいい感じでした。2に比べたら信じられないレベルです。バトルもストレスなく楽しめました。基本的に簡単なんですが、「必殺技で倒すと1.5倍ルール」が適度な刺激になって、中々にスリルを味わえましたよ。サクサク進めるし。ただラスボスが弱すぎ。もう泣きたいくらい弱すぎ。EDはじまるまでは、ストーリーとの兼ね合いもあって本気で中ボスだと確信してました。ほんと最終章がなあ……。ジンとコスモスはいいんだけどなあ……。あれはブン投げていい部分じゃなかった……。
 多分楽しめたレベルは、テイルズのファンタジアくらいだと思います。ほんと悪くなかった。ディスク1までは名作の匂いがプンプンしてた。ケイオス、マリア、ヴィルヘルムさえきっちり描かれていればなあ、と非常に終わり方が残念でした。バージルとか、ニグレド、カナンはナイスだったのになー。さすがに2を知ってる身としては望み過ぎか、という気もしますけども。でもゼノサーガ3は、少なくとも平均点は超えてるレベルだなと思います。お勧めはしませんけどね。