キョウオオオオ!!

 もはや「ネギま」しか読むものがない、と近年言われていたマガジンで、今週、ひとつの漫画が最終回を迎えました。足掛け7年。案外長かったんだな、と思います。なんでもマガジンでは歴代3位だとか。少なくとも、平成のマガジン全盛期を支えた漫画の一つではあったのではないでしょうか。
 ……という書き方にちょっと迷いが生じてしまいました。いえ、「SAMURAI DEEPER KYO」という漫画を僕が愛してる事実には変わらないですけども、もっとこう、多分デスノートに比べるとはっちゃけてる部分が多かったよな、と思うわけですよ。ミスフルよりトんでた。で、やっぱそのトびっぷりが知名度の半分以上を占めてるよな、という事実は認めざるをえないかなみたいな。ていうか、ちょっと想いが強すぎて、書き方に迷ってるという部分はあります。内容に関わらず、やっぱ好きでした、KYOは。
 正直に告白しますと、樹海編連載時はKYOが1週間で一番楽しみな漫画だったわけです。ジャンプの看板を黒猫がしょってた時期なのでそんなもんといえばそんなもんなんですけども、でもあの頃は純粋に話が好きでした。はじめの方も、ぶっちゃけバスタード+るろ剣÷2だよねと思いつつ、手堅い王道的なストーリーを気に入ってたんです。ほんとに。でまあ、そこからGENKAITOPPAとか色々あったわけですが、それだけ話としてアレになっても、やっぱKYOは好きな漫画であり続けたんです。テニスの方は嫌悪感含みなんですが、KYOは素直に笑える。なんでだろ、テニスとの差はなんだろ。と考えると、やはり、KYOは作者が登場キャラ全員を愛してたよね、という部分に行き付きます。ほんとに上条女史は、隅の一人まで愛情を注いでました。その結果としてGENKAITOPPAが生じてたわけですが、それも愛のうちならなんとなく許容範囲なんです。それがやはり、お気に入りキャラのためにザコを作って捨てる、テニスとの最大の差異ではないでしょうか。……とかやけに真面目に書きましたけど、単に俺がKYO大好きってことなんですけどね。愛がある漫画は好きです。もて王とか。
 最後は打ち切りだったので、えらい速く進んでしまったのが少し残念です。京四郎の過去とか、先代の葛藤とかはもっともっと描いてほしかったし、また作者も描きたかっただろう案と思います。あの駆け足は連載の辛いところだろうな。あとはまあ、狂の出生の秘密だとか、サスケの謎とか色々あるんですけど、それでも上手く纏めきった方じゃないでしょうか。俺は纏まると思ってなかった。最終回はいい雰囲気でした。成長したアキラと、まるで過去の狂とアキラのような関係の時人とかナイスでした。そういえば、KYOには京四郎と狂、シンレイとほたるのようにライバル関係が結構出てきますけど、その中でもアキラとトラ(秀忠)の二人はかなり好きでした。時人戦での二人はヤバかった。最初あたりのゴタゴタからほんといいライバルになったな、とかなるグっときたものです。あのへんのGT(GENKAITOPPA)合戦は、昔のジャンプ的で案外好きだったりします。信長ラストとか。あれは熱かった。
 少々蛇足気味ですが、やはりKYOといえばKYOスレな気もします。4年ぐらい前のあそこは本気で熱かった。毎週そっちもわくわくしながら覗いてたものです。アキラのGT(絶対零度を超える凍気)に唖然としたり、凄く強い設定の中ボスの最強技が「ウサちゃんコテンコテンパンチ」ってのはどうなのよとツッコんだり、重力を操れるって何!? つーか重力の刃ってなによ!? うわっブラックホールがドクドク波打ってるよ、しかもそこから朱雀が羽ばたいたよすげえ!! とか感動したり、キュイーキュイー泣くアメーバに爆笑したり、いや、語り出したら止まりませんよ。GTしたSAMURAIたちがグランドライン並に犇いていたものです。俺は「上ファ」って見るだけで爆笑してました。スレ自身は、時人戦あたりでキャラ萌えの連中に乗っ取られてから全く見てないのですが(キャラ「しか」見えてないというのもまた困るものです)、あのあたりの雰囲気は大好きだったなあ。何よりみんなKYOを愛してた。ツッコミの根底には愛があったんですよ。それが他との違いだったと思います。「真っ二つにされて崖から突き落とされて、それでどうして死んだなんて思えるんだよ!!」は名言。最高でした。
 アニメの方は追っかけてなかったので、今度見てみようかなと思ってます。ていうか今見てみるとめっさ声優豪華で驚きました。その分やっぱ絵とかアレなんだろうな。あとやはりタイトルが素晴らしい。「タキオンを超える者」と「SAMURAIはバラードを歌う」が僕のツートップですが、他にも「ヒビヤ・ベイの決闘」とか「サンダーボルト斬撃」「クロスする魂たち」あたりはかなりキてると思います。凄い。内容も噂でしか知らないのですが、一応は関が原の戦いあたりの話なのに、なんか最後は現代に来てラスボスを東京タワーにぶっ刺すとかなんとか、非常に恐ろしいことになっているらしいです。いやマジで凄そうだなおい。その監督&脚本、今は「シムーン」なるアニメを作っているらしく、ちょっと気になっています。いやヤバい話しか聞かないんですけどね。シムーンもGTするかもしれないんで、見てる方は是非視聴を続けてほしいところですが。
 いやー、語りだしたら止まらなくなりました。俺ほんとにKYO好きだったんだな、と今更ながらに思います。コミックは20巻辺りまでしか持ってないですけど。ほんと、僕にとってのマガジンの魅力はもう半減してしまいましたよ。いつも最初と最後にKYO読んでました。寂しくなります。でも今は、KYOが打ち切りとはいえ、いい最終回を迎えられたことを喜びたいなと思います。朔夜の元に戻れた京四郎、最後まで「キョウオオオ!!」と叫んでたゆや、さらに最後の最後まで微妙にD・Sぽかった狂に、限りない祝福を。そして上条女史には最大の感謝を。7年間楽しませてくれて、本当にありがとうございました。グッバイ、KYO!!