驚きはトークによろしくない

 ケチであまりエアコンをつけない僕としては、大学というのは非常にありがたい空間です。クーラーのある空間でのんびりと新聞を読めるし、BSも見れる。まあ、学費払ってるのでタダじゃないですが、その分有効に使いたいものです。
 さて、今日はゼミでして。うちの大学ではゼミでプレゼンをやるのですが、今日は僕の順番でした。でまあ、僕は喋るのが苦手なので、若干緊張してメモを読んでいたわけなのですが。そのちょっと前に入ってきた奴が、下敷きで扇いでるわけなんですよ。ぱたぱたと。そんなことをされると、そわそわしてる僕も気になるわけでして、それをチラチラと眺めてたわけです。
「〜だ」って文字が見えたんですが、どうもその漢字が読めなくて。妙に気取った文体なんですよね。で、目を凝らす。なんとなく「虚」かなあ、と思って、いかんブリーチかよ、と頭を振ります。で、「あのさ、それなんて書いてんの?」と彼に聞く訳ですよ。
 彼はひょい、と僕に下敷きを差し出しました。予想通りと言えばそうなのですが、「虚(ホロウ)だ」ではさすがになく、「嘘だ」とそこには書かれてまして。妙なキャッチフレーズだなあ、と思ってふと隅のほうを見ると、なんか見たことあるような絵があるんですよ。それ確認してメモ落としました。ちらっ、と彼に視線をやって、裏面を見ます。カッチリと書いてありました。「ひぐらしの鳴く頃に」
ひぐらし……?」と呟いた僕に、のしかかる彼の声。「ああ、ゲーム雑誌の付録についててな」 いくつかの雑誌名が頭を駆け巡るのを悲しく思いつつ、「ゲーム雑誌っていうとファミコンジャンプぐらいしか知らんなあ」とか、動揺してるのかかなりギリギリのコメントを返してしまいました。
 最近のヲタって堂々としてるんだなあ。と、服装ではかなりアレな僕が思いましたとさ。オチなし。