祈っています。昼も夜も

 かなり時間はかけましたが、ようやく塩野七生氏の「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」を読み終えました。時間がかかったのは、多分氏の初期作だったからでしょう。ローマ人のようにまだ洗練されてないし、妙に文学的な表現も多くて、意外と読みづらかったのです。それでも、ルネサンス晩期を生きたチェーザレという人物を深く知ることが出来ました。で、初読時にはあまり評価高くなかった川原泉の「バビロンまで何マイル?」を読み返してみたのです。
 ラストで号泣寸前。ヤバい。こういうのに弱いんですよ。イタリア統一の野望を果たせぬまま散ったチェーザレと、その野望ゆえの悲劇の種の数々。切ないなあ。目的を果たせぬまま、さらに後継者にも恵まれない、というよりもそんな時間もなく。その人生の最後をルクレツィアに持ってくる川原泉は、やっぱりいい人なんだなあ。読者の救われ度は半端じゃないです。ただ寂しい、ってだけじゃなくなってる。生きてて良かったなって思える。明日のデス種もこんな感じならいいんですけど。無理かなやっぱ。
チェーザレ〜」から「バビロン〜」までのコンボは相当効くってことですよ。



 歴史でもう一つ。今日、というか5月27日は、一応日本海海戦の戦勝100周年の記念日ということになってます。ある意味伝説の戦い。イギリスにとってのトラファルガーの海戦のようなものだと思ってたんで、なんか記念式典でもガっとやるのかなーとか思ってたんですけど。またえらい地味な。新聞でも五大紙じゃ読売と産経ぐらいですかね。大学でも特に何もなかったし、なんでだろう。戦勝を祝うとかじゃなくて、偉大な先人たちを偲ぶってことでオッケーじゃないのかなあ。まあ、僕もこんな場所にあんまり派手なことは書けませんが。
http://www.geocities.jp/jolju357/nichiro/top2.htm
 このFLASHの紹介でもして終わっとこう。偉大な先人たちを知るきっかけとなるなら、こういうのもいいものです。