もう一度 キラキラの方に登っていく

 スピッツの正夢は良い感じです。なんかずっと聴いてる。

 恩田陸の「麦の海に沈む果実」が凄く良かった。姉に貰ったんですが、うん、実にグッドでした。「三月は深き紅の淵を」を先に渡さない辺りに性格の悪さが伺えますが。いや愛してるよハニー。
 恩田陸と言えば、ラスト1割の失速感に定評がある作家である。そう思ってたんです。実際俺が読んだののほとんどはそうでしたし。終盤に近づくにつれ、「おいおいこれほんとにオチるのかよ」とビビる感覚が、むしろ快感に近くなればファンだ、と思ってました。
 しかしこれは一気に行ってくれました。あの恩田陸が最後までハイペースを崩さないなんて。「ロミオとロミオは永遠に」をこのテンションで行って欲しかったなー、と思ってしまうほど鮮やかにやってくれました。Ya!!
 最近「ジョゼと虎と魚たち」とか妙に本読んでたんですけど、これがナンバーワンでした。恩田陸、実はあなどれないのかもしれない。