なげさんにならって

 超短編でボツにしたネタを投下してみます。結構ネタ的には気に入ってた……、んですが相変わらず切り方がマズすぎました。タイムゴーズバイといい、まったくどうにかなんないかなあ。



『ゲームをしませんか?』
『ゲーム?』
『はい、ゲームです』



 あたしたちは、もう青い空とか白い雲には飽きていて。

『ここからジャンケンをして、グ・リ・コで前に進んで行くんです』
『……あの、グーで勝ったらグリコで3歩。パーならパイナップルで6歩のアレですか』
『ええ、チョキならチョコレートのソレです』
 
 

 だから、別にこの場所だって好きじゃない。



『ジャンケン、ポン』
『パ・イ・ナ・ッ・プ・ル』
『ジャンケン、ポン』
『チ・ヨ・コ・レ・イ・ト』



 屋上の出口(入り口とは言わない気がする)を背にして始まったジャンケンゲーム。目の少し先には壊れた金網。



『……意外にグーって出るんですね』
『あはは〜。勝つためですよ〜』



 
 そこは北川くんの青い車じゃ行けなかったし、倉田さんにしても、川澄先輩の視線の先には映っていなかったのだろう。金網の先の世界は、あたしたちを嘲笑している。


『ジャンケン、ポン』
『パ・イ・ナ・ッ・プ・ル』
『ジャンケン、ポン』
かたり。
『ア・イ・ラ・ブ・…………』




 ジャンケンゲームの賞品には、ふさわしいのかもしれない。