夜明けは告げなくていいけれど

やー、劇場版BLAMEはびっくりしました。なんか普通にストーリーがあったんですよ。BLAMEってあれじゃないですか。なんか薄暗いバックによく分からん用語と同じような顔があって、あれっこの人味方じゃなかったっけとか戸惑いつつ頻繁にページ戻り戻りしながら、でもなんか妙な魅力があって読んじゃうみたいな。それがちゃんとストーリーがあるだけでこんなに楽しくなるものかとね。限界集落的な村を守るという目的があって、ちゃんとした、いやシボさんはいいんだけどまあいい感じなヒロインがいて、それでアクションやってちょっと恋愛もやってラストいい感じにまとまるわけです。それに彼独特の世界観が加わって、さらに劇場のスクリーンでいい音響でドカーンバキューンですからね。いや、いけてました。ほとんど期待しないで観に行ったからかもしれませんが、やっぱいいですよ。終始薄暗くてセイフガードはガチでキモくて、あとシボさんちょっとは説明しようよって若干いらっと来るんですが、それも魅力のひとつですからね。またヒロイン可愛いんだ。名前忘れたけど。ていうかあんな生活であんなムチムチフェイスは無理だと思うけど。まあそれはいいか。リアルだとちょっとアレだし。でも霧亥が無駄にカッコよかったな。劇場で観るとあの重力ナントカは迫力抜群ですよ。また村人の武器がなんていうかボウガン? みたいなちょっとシャバい感じなんで、余計に映えてくれます。サナカンとのラストバトルはほんとに手に汗握ったね。いやはや、まさかのグッダー映画でありました。多分ちょうど100分くらいだから割合サクっといけていいんですよ。ちょっと漫画も読み返してみよう。でも暗い漫画喫茶じゃあ読み辛いんだろうな……。
あと「夜明けをつげるルーのうた」もよかった。これだよこれ。爽やかブルースプリングファンタジー。童貞ボーイはバンドと恋愛と適度な冒険で少し大人になるわけですよ。OK。やっぱりバンドに必要なのは童貞イズムですよ。美少女もまあいいけど。最後の歌うたいのバラッド熱唱シーンはよかったなあ。ていうか湯浅監督のファンタジーは凄いね。「夜は短し歩けよ乙女」も観に行ったんですが、あれも相当良くて参ったなあ。小説のハチャメチャさとか楽しくさは、あの文章に乗せられてるからじゃないですか。映像化したら普通の退屈な感じになるんじゃないかなと思ってたんですが、いや杞憂も杞憂。先斗町ってこんな楽しげな場所だっけと思っちゃったね。李白さんや樋口先輩をはじめとして、奇人変人の奇行乱行をこうも気持ちよく描けるものかと驚きました。学園祭とか古本市なんかも、普通は出来るわけねえやなと思ったらうわ普通に楽しそーってやられてしまいました。そんでまた黒髪の乙女が可愛いんだ。そこにお酒がある限り!! 花澤香菜やるじゃない。帰宅後は赤丸ワイングビグビですよ。時間を忘れて、楽しさだけに浸れる良映画でしたね。
と、話が逸れましたが、ルーのうたでもファンタジスタっぷりを存分に発揮してくれたので満足です。よくある中2ストーリーではあるのですが、やっぱアニメは映像と音楽があるからね。ルーと連れ立っていく海中の描写とか、海岸ダンスシーンとか、ラストのみんなで傘差す場面とか、いやー今思い出してもいい気分になれますよ。メシも美味そうだし。BLAMEは不味そうだったからなあ。当たり前だけど。なんていうか、主人公のテンションがリアル中3て感じで好きです。自分の求めてるものを得ているときと、それが自分の思い込みだったって思っちゃったときとの落差がね。駄目な奴です。でもこういうアニメでは、駄目で根暗な童貞が頑張ってくれるからね。好きなんですよ。最後の告白シーンとか、俺船のおっちゃんたちと同じ顔してたしね。ていうか父さんのコピーバンドの曲見てると、ねえ、そっちの方が同世代だからね。慣れない仕事は辛いやね。自由な時間も少ないし。でもみんな地道にちゃんと生きてて、なんていうかそういうのも感じられていいです。まあでも、あれですけどね。夜が来てずっと夜だったらいいなと思いますけどね。こんな前向きな映画の感想であれなんですけど。でも夜明けとかそんなにほしくないのもくたびれた大人ってやつなんですかね。しゃーないか。しゃーないわなあ。
というわけで、キンプリにBLAMEに夜明けを告げるルーの歌にと、毛色の違うそれぞれに魅力的なアニメ映画を楽しみました。次はあのメアリってのかな。でもあれ、予告編で相当見せちゃってる気がするけど大丈夫なんだろうか。でもあれですね。こう3つ並べると、ぼあーんて浮かぶのはあの太陽系ビリヤードからのパクスヒローナの衝撃だなあ。なんか凄かったです。次はおうえん上映でカヅキさんを応援しよう。いやでもほんと、夜明けは特にほしくないや。