全然現世

やー、驚きました。新海誠監督の「君の名は。」がすげえ面白かった! 傑作まではいかないけども秀作ってところですかね。個人的にはあれなんですよ。新海監督はこう、クソアニメ製造機というかね。ほしのこえも雲のむこうもつまんなかったし、秒速なんてこんなん好きな奴はDEENを真面目に聞いてるようなヘボ野郎だぜハハーン(色々失礼)とか思うくらいに駄目だったわけです。でも君の名は、は良かったなー。ちゃんとミット構えたところに直球がぐいんと入ってきた感じでしょうか。ベッタベタです。男女の入れ替わりに、過去の改変に、最後のすれ違いからのあれまでね。でもこう、やっぱこれですよね。ベタってのは王道ですから。ちゃんとやってくれればOKなんです。導入がえらい長いんですが、三葉は可愛いし滝君もイケメンなので、これちょっと長いなって思ったときはもうこのふたりにどっぷりはまってるわけですよ。ていうか滝君をイケメンに描けたってことがこれの成功なのかもしれないですよね。新海監督の男って、いやこれは偏見ではあるんですが、基本シャバ憎じゃないですか。秒速の彼なんて本当に何もしてないし、そりゃああなるわってわけでね。君が離れていくのを夢であるように何度も願ってもしゃーないですからね、人生。いやまあ滝君も、あの酒飲んでああなってくれたのは偶然ではあるのですが、でもなんか許せるんだよな……。でもあの口噛み酒ってあんな透き通るものなんですかね。ああ飲みてえって思ってしまいました。実際ほら、最近はアイドルの吐息かなんか、そういうのでも売ってるじゃないですか。あの流れでAV女優の口噛み酒とか売ってくれたら買いますね。絶対買います。アナルからでも飲みます。まあそれはいいとしてだ。やっぱ法律的にあれなんでしょうね。でも四葉ちゃんはそういう商売に手を出して欲しいと切に願います。醸造アルコール混ぜるのは嫌だけど、ちょっとした甘味料入れるのは全然許せるね。
えらい勢いで話が逸れていきましたが、まあ言いたいことはあるわけでね。僕もオッサンの地方公務員ですから。割とさっぱりと過去を変えてくれちゃったわけですが、あれ大変なことですからね。三百人も生き残ったら、全然違う仕事が発生します。高校だけじゃ足りないから避難所確保して、食べ物とトイレと毛布とか輸送して、村とか疎開先をどうするかも考えて……。滝君と三葉はめぐり合えたわけですが、確実に数千人くらいの人生は変わってしまってるので、そういうの考えるともやもやします。何か違うって気持ちを抱えてるのこのふたりだけじゃないやろみたいなね。まあどうでもいいんですが。逆に、どうせベタにやるのなら、また別の、最近は世界線ていうのかな、平行世界の三葉の世界は救われて、滝君の方はそのままで。最後あの階段のところで、別の世界のお互いの存在を感じながら、こうちょっとだけ爽やかな感じで終わるのかなーとも考えました。でもあのOPなら最後はああなるよなー。まあ些事であります。やっぱね、オッサンになると現実のことが色々気になっちゃうんだよ。人死が多いと少ないじゃ、専門家の左遷状態も変わってくるからね。親のどっちかが天文家で、この彗星は大丈夫って太鼓判押したはいいけど、ああなって、で世間からブーイング食らっていじめられてた子がいたとしたら、過去を変えた後の人生まるっきり変わっちゃいますからね。そこで身を寄せ合うように生きていた女の子がいて、家を出て一緒に住むようになってたけど、過去が変わって別々になっちゃって、でどこかの雑踏ですれ違う百合とか妄想してたんですが、あまりに本筋と違うのでやめた次第であります。
またアホみたいな話で逸れたんですが、なんていうかストレスなく観られるのがいいですね。滝君イケメンで三葉は可愛いし、脇のませた妹とか含蓄あるバアさんとか、バイト先の綺麗なお姉さんにナイスな友人たち。割と新海監督は閉ざされた世界ばかりの印象があったので、こんだけまあオタク的ではあっても関係が描けるものかあと感心しました。女に偏ってはいるけど。三葉は可愛くていいですね。せっかく会えたのに、胸触ったやら唾液飲みやがって変態やら、そういう話で終始してしまうところはニヤニヤしました。最後も、はじめは目を逸らすだけだった親父さんと真っ向から向き合ってたしね。滝君イケメンでよかったな三葉。あと話のテンポがさくさく進むのと、そりゃ当たり前だけど風景が綺麗なのと、以外に滝君と三葉の声優がいい演技してたのがグッドでした。ていうか三葉の人って劇場版ちはやふるのかなちゃんなのね。全然気付かなかったからびっくりした。やるじゃない。神木君はまんまだったけど。でも上手かった。ひどいときはひといからね、FF15のヒロインとか。棒読みどころか鉄棒読みだぜ。なんじゃそりゃ。ははは。
やー、でも久々に楽しかったオリジナルアニメ映画でした。こういうのが観たいんだよこういうのが。今年はようやく来た感がありますね。年始のガラスの花と〜はあったけど、なんていうか平均点で終始した感じだし、好きになってもいいですかは微妙だったからなあ。でもあれで、俺はもう恋色には咲けないのかなと思ったところで、君の名はは楽しめたので、なんかほっとしました。このジャンルだと心が叫びたがってるんだ以来なのかな。あれはでも、もう親世代に感情移入しちゃってたからなあ。真っ向ブルースプリングものは、よっぽどちゃんと作られてないと駄目かもしれないですよね。オッサンだから当たり前なんだけど。プラネタリアンはどうかな。うーん。声の形は見ないけど、レッドタートルはどうしよう。ていうか注目株は10月以降ですよ。RWBY2期にゼーガペイン総集編、「この世界の片隅に」からの虐殺機関を楽しみにしています。オリジンと009はどうだろう。まあでも、今後も楽しみではありますが、こう今年のベストは、邦画はゴジラ、洋画はタートルズ、アニメは君の名は。で決まっちゃった感はありますね。でも君の名は見た後って、あまりにも爽やかなブルースプリングだから、ビールじゃなくてサイダー飲みたくなるんですよ。それだけは減点対象ですかね。まあたまには刺激的砂糖水も悪くないかなと思いますことよ。以上。